国際試合 vs クラブの試合

ボスマンにより契約の切れた選手は移籍金なしで他のクラブに移れるようになり、それによってサッカー界の移籍事情がかわったわけですが、またボスマンのようにインパクトのあることが起こり得るかもしれないんだそうです。

今度は何かというと、昨シーズンベルギーのシャルルロアがアデルマジト・ウルメルスを怪我から守ろうとしてモナコのフレンドリーの試合に出させないようにしたのですが、FIFAがウルメルスは試合に出なきゃいけないという判断を下し、試合に出た結果ウルメルスは足首の靭帯が裂け、それによって7ヵ月ウルメルスは戦線離脱となりCLに出る権利がとれなくなった。これはFIFAのせいだ、ってことでシャルルロアはFIFAを訴えていてその裁判が3月に始まるのだそうです。

もし、シャルルロアが勝つことになれば国際試合の選手の選択がかなり苦しくなるわけです。そしてクラブの力がより強くなるというわけです。

シャルルロア側の弁護士はボスマンの時にも弁護士を勤めたジャン・ルイ・デュポン(読みに間違いがあったら指摘してください)氏で彼が言うにはFIFAが独占マーケットの立場を悪用しているし、2006年のワールドカップが1億5千万ポンド(約300億円)以上の収入をもたらすというのに選手をただで使って怪我をしたら知らん顔ってのはないだろう、ということなんです。

そして来年の1月20日から2月10日までエジプトでアフリカン・ネーションズ・カップが開催され、代表として呼ばれた選手はその期間だけでなく準備期間も入れて各クラブから戦線離脱となるわけです。アーセナルの例で言えばコロですね。もし、その期間にソルになにかがあったら、CBはどうなるかというと...まあ、想像にお任せということで。そしてもしコロになにかがあったら...それはそれは恐ろしいわけです。考えたくもないです。そして何かがあった場合、クラブ側はそれに対する弁償も受けず、選手も失い、その間も選手の給料を払い(まあ、その辺は何らかの保険があるんでしょうが)...っていうわけですよね。

勿論クラブ側の力が一方的に大きくなるというのも考え物ですが、なんらかのバランスの取れた解決策をFIFAが出すべきでしょうね。