昔は正しい発音で呼んでもらえなかった...

アンリはアーセナルに来た当初、自分の名前を正しい発音で呼んでもらえなかったんだそうですよ。

僕はコックニーアクセントを拾ったとは思わないね。あれはここで生まれ育った人のための特別なものだよ。レイ・パーラーがいた頃なんかよくコックニーの言葉で喋って僕に言わせようとしたんだよ。例えばYou need your bins on if you can’t see the goal from here, geezer.(ここからゴールが見えないんだったらメガネかけろよ!binっていうのはコックニースラングの言葉でメガネっていう意味。ふつーにいうと箱。だからコックニーがわかってないと「ゴール見えないんだったら箱が必要だなあ見たいな感じかな。若干違っているかもしれません、ごめんなさい。)
そして彼がいなくなってそれからソルもいなくなったからね。最近はコックニーってのが少なくなったね。
僕の名前でさえ正しく呼んでもらえなかったんだよ。みんな「テリー・ヘンリー」なんて呼んでたんだよ。だからもうある時点であきらめたんだ。だってチームメートのうち半分が僕の事を「テル」とか「テルボーイ」なんて呼んでいたからね。

そして昔のまだまだ今のアンリではなく皆から「どーせだめなんじゃないの?」って言われていたころのことを振り返って...

ある時ミドルズブラと試合をしたんだけど、僕はずっとベンチにいたんだよ。僕車がなくってね、誰もわずらわせたくなかったから電車でセント・オーバンスまで帰ったんだ。その頃誰も僕の事知らなかったんだよ、だって今みたいにゴールを決めていなかったからね。僕はアーセナルのトラックスーツを着ていて、だからファンが家に帰るのと上手く混じってね、家に帰るまでずーっと1人で邪魔されなかったよ。皆僕がファンだと思ったんだろうね。
でもロンドンのそういうところが好きだな。皆がそっとしておいてくれるんだよね。皆がそれぞれに生活があるって事実を尊重してくれるところとかすごく好きだよ。
ロンドンに行って自分の好きなことができるしね。動物園にだって買い物にだって行けちゃうよ。時々じっと見られたりするけど、でも僕に触ろうとはしないしね。
多分あれはラテン系のものなんだろうな − フランスやイタリアでは皆が本当に触れてくるんだよ。そういうの好きじゃなくってね。

それからもう一度バルサとのこととかを振り返って...

移籍の事は考えていたよ。あの時自分で自分にもう決めた!って言ったんだ。それは本当だよ。難しい決断で、とにかくはっきりさせたかったんだ。あの頃の僕の目標ってのは結果をちゃんと出す事であって、僕の将来を決める事じゃなかったね。
だけどクラブに自分の求めているものを見つけたとき、移籍する理由なんてなくなるよね。僕はファンやクラブといい関係を築いたんだ。それに背を向けるのは難しいし、他では同じくらい成功しないんじゃないかって言う心配もいつもあるしね。
イングランドのクラブでキャリアを終えたとき皆が自分のことを覚えてくれるってのがいいよね。自分がピッチに出た時自分の名前を叫んでもらえて、ファンは自分がクラブのために何かをしたってのをわかっていてくれて、それをスタンディング・オベーションで教えてくれるんだ。すごくそれってパワフルなんだけど、フランスだとそういうのはないからねえ。

そして今はなきハイバリーに対するアンリの想い...

跡地に建てられるマンションなんて絶対買わないよ。そんなことできるわけないよ。僕にとってハイバリーってのは本当に特別なところなんだ。僕はあそこをトレーニンググラウンドにして欲しかったんだよ。あの場所を死なせちゃいけなかったんだ...

あの場所が今では壊されちゃったなんて、とてもじゃないけど信じられない...